敷金1ヶ月の物件と敷金0ヶ月の物件の違いは!?

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こんにちは。
新宿・池袋にある不動産仲介会社『お部屋探しはアルク』の岡村です。

今回は敷金のお話です。

「敷金1ヶ月のお部屋と敷金0ヶ月のお部屋ってどっちが得なんですか?」
「敷金0ヶ月のお部屋は退去する時に沢山お金を請求されると聞いたのですが本当ですか?」
弊社にご来店されるお客様に、上記のような質問をされる事がよくあります。

結論から言ってしまうと、敷金は1ヶ月だろうが、0ヶ月だろうが、損得のお話にはなりません。結果は同じです。

まずは敷金というものはどのようなお金なのか説明します。


敷金とは預入金

敷金というのは退去時の原状回復に使われるお金と認識している方が多いですが、ちょっと違います。

確かに退去時の原状回復に使われることもありますが、他にも家賃の滞納が起こってしまった時も敷金で補填されることもあります。

『敷金=退去時の清掃費用の為に預け入れておくお金』ではなく、
『敷金=何らかの理由で入居者に債務が発生した場合に備えて預け入れておくお金』というのが正解です。
これは本職の不動産店のスタッフでも理解していない人が多いです。

敷金

敷金とは万が一の事態に備えるデポジット(保証金)です


退去時の現状回復のシステムを理解しましょう

退去時の原状回復の方法は色々とパターンがありますが、基本的なシステムの話をします。

■敷金を1ヶ月分預け入れている場合

基本的に敷金は退去時に全額戻ってきます。

「え?じゃあ退去時の原状回復費用はどうなるの?」と思われるかもしれませんが、退去時には退去時清掃代という名目でシングルタイプのお部屋であれば、約3万円程度の費用を請求されます。

これは敷金から相殺されるのではなく、実費で請求されます。

普通にお部屋を綺麗に使っていただければ、基本的にこの退去時清掃代でお部屋のクリーニングは完了します。
そして敷金は全額入居者へ返還されるという仕組みです。

多くの方が敷金から清掃代を引かれて残金が戻ってくると考えていますが、そうではない事の方が多いです。

(誤)敷金10万円を預け入れていたが、清掃代が3万円を引かれて、7万円が手元に戻ってくる
(正)敷金10万円を預け入れていたが、実費で3万円請求されて、10万円の敷金は全額戻ってくる
上記2パターンで入居者の損失は3万円と同じではありますが、お金の動きがちょっと違うわけです。

■敷金を預け入れていない(敷金ゼロ物件)場合
基本的に契約時に退去時清掃代として3万円程度請求されます。

この退去時清掃代で清掃が無事に完了した場合、追加でお金を請求されることはありません。しかし敷金を預け入れていないので、当然、返還されるお金もありません。
入居者の損失は契約時に支払った退去時清掃代の3万円になります。

どうでしょうか、敷金を預け入れしていなくても、預け入れしていても入居者の損失は退去時清掃代の3万円となり、敷金の有無で損になる訳でも、得になる訳でもありませんよね。

敷金が登場するのは、この退去時清掃代で清掃が終わらなかった場合です。


敷金は万が一の事態に備えるデポジット(保証金)

例えば壁に大きな穴を空けてしまうなど、お部屋を滅茶苦茶にしていまうと、退去時清掃代の3万円では修繕が完了しないこともあります。
そうすると、退去時清掃代とは別に修繕費(上記で言うと壁の穴埋め料金)として新たに金額を請求されることになります。敷金とはここで使われるのです。

前半で『敷金とは何らかの理由で入居者に債務が発生した場合に備えて預け入れておくお金』と説明しましたね。

ここで例えば敷金を10万円預け入れおり、壁の穴埋め代が2万円かかったとしますと、敷金から2万円が相殺され、残額の8万円が返還されます。

一方、敷金を預け入れしていない場合(敷金ゼロ物件)は、実費で2万円請求されます。

上記2パターンでも入居者の損失はどちらも2万円であり敷金の有無は関係なく、損得のお話にはなりません。

ただ、退去するということは、次のお部屋に入居するということで、新しいお部屋の初期費用も必要になる時期です。
敷金を預け入れておけば、急遽の出費の心配はあまりありませんが、敷金を預け入れてしていないと上記のような場合、急に予想していなかった出費が発生して、新しいお部屋の初期費用も払わなくてはならないし、今までのお部屋の修繕費も払わないといけないしで困ってしまうことになるかもしれませんね。

結論として敷金ゼロ物件は、入居時は少ない費用で入居出来て、敷金1ヶ月物件と比較して何か損をするということはありませんが、万が一の事態に備えるお金を預け入れしないということですので、不測の事態が起きると困ることがあるかも、、、ということですね。

以上のお話は基本的な退去時の原状回復のお話です。
物件の中には敷金償却といって退去時清掃代は請求しないが、預け入れしている敷金を全額清掃代に充てて、敷金の返還はない等のパターンがあったりもします。
契約の際は敷金の扱いについて、不動産店のスタッフに確認しておくといいと思います。


敷金の有無によって物件の質は変わるのか

最後に敷金の有り無しで物件の質は変わるのかという点について

これはあると思います。

通常、オーナー様サイドからすると敷金は預け入れていてほしいお金です。

例えば、契約期間の最後の月の家賃を支払わずに、退去されて行方知れずになってしまった、とか、壁に大きな穴を空けていたので、修繕費を請求したが、支払わずに音信不通になってしまった等という場合、敷金さえ預かっていれば、それで補填すればいいお話です。

しかし、敷金を預け入れてもらっていないと、最終的には未払い賃料は泣き寝入りするしかありませんし、壁の穴はオーナー様の負担で埋めるしかありません。

敷金0ヶ月の物件というのは、ややオーナー様にリスクのある契約になるわけですね。

そういうリスクを背負ってでも、敷金ゼロにする理由としては、初期費用を安くする事によって、次の入居者が決まりやすいというメリットを狙っている訳です。

つまり何ヶ月も空室が続いている物件や、初期費用で差別化しないと、同条件では近隣の他物件と比べて見劣りするような物件という可能性があります。

優良物件であれば、敷金1ヶ月であってもすんなり決まりますからね。

安直に、この物件は敷金が0ヶ月だから初期費用が安くなって嬉しいなぁと思っていると、実は何ヶ月も空室が続いている不人気物件でした、ということもあるかもしれません。

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